最近まともに遊戯ネタをやってないし久しぶりにやってみよう。
先日行なわれた某大会で除去ガジェット(俺の研究室でいう粘着ガジェット)が優勝したらしいです。俺が使ってみた感じだと、ガジェットはロック耐性もまるでなく、ほとんどネタデッキでした。なぜガジェットが優勝したのか?それを考えてみようと思います。
まずはデッキレシピを紹介。
《モンスターカード/12枚》
魔導戦士 ブレイカー
忍者マスターSASUKE
黒蠍‐罠はずしのクリフ
異次元の女戦士
レッド・ガジェット×2
ミスティック・ソードマンLV2
ならず者傭兵部隊
グリーン・ガジェット×2
イエロー・ガジェット×2
《魔法カード/15枚》
抹殺の使徒×2
天使の施し
団結の力
大嵐
増援×2
収縮×2
月の書×3
強欲な壺
サイクロン
いたずら好きな双子悪魔
《罠カード/13枚》
炸裂装甲×3
破壊輪
奈落の落とし穴×2
聖なるバリア‐ミラーフォース‐
神の宣告×3
激流葬
王宮の弾圧×2
《サイドデッキ/15枚》
ハリケーン
ミスティック・ソードマンLV2
ライトニング・ボルテックス
リミッター解除×2
王宮の弾圧
黒蠍‐罠はずしのクリフ
収縮
聖なる魔術師
氷帝メビウス
魔法効果の矢×2
連鎖除外×3
12:15:13という常識破壊的構成。私は普段このような構成を魅力的という言葉で片付けてしまうことが多いのですが、実はこれはうまく考えられたバランスだということを忘れてはいけないと思います。ガジェッツは1枚引けばモンスター切れは滅多にありません。それだけモンスターを少なくし、そのスロットに魔法・罠を突っ込むことで除去力を上げている。この構成そのものがこのデッキの正体なのです。
さて、詳しく見ていきましょう。まず私との一番の違いは、ガジェッツが2積みという点です。私はすべて3積みでしたが、3積みだと手札で腐るんですね。で、結局捨てる。それを考えると2積みの方が安定性が増すのかも知れません。
次に、先述のとおりモンスターが12枚と非常に少ないです。そのうち6枚、実に半分がガジェッツで埋まるので、他のモンスターはわずか6枚です。そこに増援で引っ張れる優秀な戦士モンスターを入れています。
ミス2は裏守備モンスターを攻撃した時、効果で破壊します。ならずは相手モンスターを1体破壊します。おそらく、このデッキは罠が要なので主な役割はショッカーつぶしだと思われます。女戦士、これもならずと同じような役割でしょう。サスケはガジェでは戦闘破壊できないマシュマロ、死霊、高守備力モンスターを破壊する役割です。クリフはロック&お触れ対策でしょう。
以上のことからわかるのは、2枚の増援が万能除去カードになっているということです。
そして残るはブレイカーですが、これはロック&お触れ対策ということになるわけです。つまり、主なダメージ源はガジェッツのみという確固たる前提の元で組まれたデッキだということなのです。
そしてこのデッキ、同族やキラスネといったスタンにおける必須カードが入っていません。これは私は合点がいかないのですが、おそらくキラスネが邪魔になるというので抜いたのでしょう。キラスネが抜けたので同族も抜いてしまえ、と。いや、この辺は私には理解できません。たぶん違いますね(笑)
まぁ一言で言えば、モンスター構成に微塵の無駄もないということでしょうか。これは別の見方をすれば、ある程度の人間力がなければ回せないということでしょうか?
次に注目するのは魔法です。
このデッキの中で最も多くのスペースをとっているのが魔法カードです。
施し、壺、嵐、サイク、双子はすでに必須カードと言えるので敢えて詳しくは書きませんが、これを見ると魔法カードの基本的な構成をある程度守っていることがわかります。モンスターとのギャップを感じますが、それだけこれらの魔法カードが強力だということでしょうね。
王宮の弾圧を使うため早すぎた埋葬は入っていません。これは仮説ですが、上級モンスターのような決定的なカードパワーを持ったモンスターがいないので特に墓地再利用をする必要がなく、無駄なライフ消費を減らす意味もあるのではないかと考えています。弾圧でライフ払いますしね。
強奪も入っていませんが、これも上級モンスターの生け贄召喚を行なわないことと、相手にライフを与えないようにするという2つの点から考えてのことだと思われます。ただ私の意見としては、せっかく月の書が3枚入っているので強奪くらいは入れてもいいのではないかというところです。
そして万能除去カードの増援2枚、単純な除去として抹殺2枚が入っています。
他に月の書×3、収縮×2です。これは自分のモンスターを戦闘破壊から守る役割を果たしています。また、月の書は抹殺やミス2とのシナジーを考えて3枚積まれているようです。
最後に団結の力。またこれが私にはわかりません。スケゴも入っていない、血の代償もない。そんなデッキになぜ団結?と思ってしまいます。まぁ、ガジェッツの攻撃力は1200、1300、1400なので、団結を付ければどれでも2000以上にはなるわけですが…
お次は罠カード。枚数は魔法カードより少ないものの、このデッキの中心は罠による徹底除去ですので他のデッキと比べるとかなり多めです。
まずは王道のミラフォ、破壊輪、激流葬。それに加え炸裂3の奈落2。通常スタンに入っている魔法・罠カード除去の枚数は3+数枚ですから、スタンでは除去が間に合わないということも十分考えられます。
罠を多用すると必ずついて回るショッカーとお降れ。これもきちんと考えられています。そのひとつが神の宣告。思い切った構成で神宣3積みです。相手のショッカー召喚時にうまく神の宣告でカウンターできなければ、要の罠が使えなくなり多少苦しい展開を強いられてしまいます。
そしてこのデッキのキーカードとも言える王宮の弾圧。デッキ全体を弾圧にあわせて構築し、相手の特殊召喚カードを紙にします。最も大きいのは開闢です。手札から出したら弾圧で特殊召喚無効。笑えます。その他にも、アンデットのコンセプトが根本からズタボロになったりいろいろいい感じです。通常ですとこのカードはサイドデッキに積まれることが多いですが、デッキ全体を弾圧用に構築することでメインからの投入が可能になっているのです。これはかなり強力です。
さて、ここまでメインデッキを見てきましたが、今度はサイドを見てみることにしてみましょうか。
ミス2、弾圧、クリフ、収縮辺りは相手の戦術にあわせての微調整用とでもいったところでしょうか。
ボルテ、リミ解2、聖なる魔術師はなんでしょう?あまり効果的なサイドデッキではないように思えます。リミ解は2デュエル目以降で相手の意表をつくのに使えそうですけどね。まぁこれらも微調整程度でしょうか。
そしてハリケーン、矢×2、メビウス。ハリケーンは微妙なところですが、ひょっとするとリミ解で一気に勝負を決める際に必要なカードなのかも知れませんね。矢とメビウスは完全にロック対策です。
ガジェットデッキはガジェッツに基礎ロック耐性がなく、ガジェット以外のカードでのロック対策は欠かせません。そこでこのデッキではブレイカー、嵐、サイクといった必須カードに加え、メインからクリフを採用し、さらにサイドにクリフをもう1枚さすというロックへの意識の高さが見られます。また、矢2枚とメビウスからもロック対策への気遣いが見られます。実はこれらは除去ガジェットのもうひとつの弱点である王宮のお触れへの対策としても大変有効で、ガジェットの優れた点としての『弱点補強のしやすさ』に気付かされます。
これに気付くと、私のように今までガジェットをネタとしてしか見ていなかった人も、ガチとしてのガジェットデッキに可能性を見出だすことができるのではないでしょうか?
眠い目を擦りながら書いたのもあっていろいろ変なところもあったかと思いますが、最後まで読んでくださりありがとうございました。
おわし