藤子・F・不二雄大全の刊行がはじまって1ヶ月経ったんですかね?
結局予算的にどうしても厳しいということでドラえもんだけそろえることにしました。
本当は全部欲しかったんですけどね…予約特典も欲しかった…
で、そんなわけでドラえもんの2巻を買ってきました。
あ、ちなみにAmazonで買った1巻は第2刷でした!こういうのこそ初版で揃えるべきなのに…
初版手に入らないだろうなぁ…
ところで、以前ドラえもんの都市伝説を扱って結構好評いただきました。
あの記事は検索で来られるお客さんも多いようですね。
ドラえもん好きがいっぱいいて嬉しいです!
その時に、次はクレヨンしんちゃんの都市伝説について調べると言いました。
まぁ一応調べてネタはあるんですけど、なかなか書く機会がないんですよね。
で、今日はそれを書こうと思ったんです。が、今ちょっと机の引き出し調べたら違うのが出てきたんですよ!
その記事でも書いたんですが、ドラえもんにはF先生が描いた以外の最終回説みたいのが昔からあります。
その中でも有名なものが2つほどあって、同人で漫画化したりしたらしいんですが、これはそのテキスト版の印刷物です。
これは私が中学生の頃。
国語の教師をされていた仲の良かった女性の先生がいたんですね。
落語とドラえもんが好きな先生で、よく話しました。
その先生は中学2年になったくらいの時にご結婚されて関西の方へ移られて、その後あまりお会いしていないんですが…
これは私が中学1年の時にその先生にいただいたものです。
印刷物は2つあります。
どちらも1998年6月の日付になっています。
それぞれに1つの「最終回」が載っています。
今日はこれを紹介しようと思います。
かなり長くなると思うので気合入れてください。
まず1つ目です。
-----------引用ここから-----------
ドラえもんの最終回
のび太とドラえもんに別れの時が訪れます。
それは、なんともあっさりと...。
のび太はいつものように、宿題をせずに学校で叱られたり、
はたまたジャイアンにいじめられたり、
時にはスネ夫の自慢話を聞かされたり、
未来のお嫁さんであるはずのしずかちゃんが出来杉との約束を優先
してしまう、などなどと、
とまぁ、小学生にとってはそれがすべての世界であり、
一番パターン化されてますが、ママに叱られたのかもしれません。
とにかく、いつものように、
あの雲が青い空に浮かんでいた、
天気のいい日であること。間違いないでしょう。
そんないつもの風景で、
ドラえもんが動かなくなっていた...。
当然、のび太にはその理由は分かりません。
喋りかけたり、叩いたり、蹴ったり、
しっぽを引っ張ってみたりもしたでしょう。
なんの反応も示さないドラえもんを見て
のび太はだんだん不安になってしまいます。
付き合いも長く、そして固い友情で結ばれている彼ら、
そしてのび太には動かなくなったドラえもんがどういう状態にある
のか、
小学生ながらに理解するのです。
その晩、のび太は枕を濡らします。
ちょこんと柱を背にして座っているドラえもん...。
のび太は眠りにつくことができません。
泣き疲れて、ただぼんやりしています。
無駄と分かりつつ、いろんなことをしました。
できうることのすべてをやったのでしょう。
それでも何の反応も示さないドラえもん。
泣くことをやめ、何かしらの反応をただただ、
だまって見つめ続ける少年のび太。
当然ですがポケットに手を入れてみたり、
スペアポケットなんてのもありましたが動作しないのです。
そして、なんで今まで気付かなかったのか、
のび太の引き出し、そう、タイムマシンの存在に気がつくのです。
ろくすっぽ着替えず、のび太はパジャマのまま、
22世紀へとタイムマシンに 乗り込みます。
これですべてが解決するはずが...。
のび太は、なんとかドラミちゃんに連絡を取り付けました。
しかし? のび太はドラミちゃんでもどうにもならない問題が発生
していることに、この時点では気が付いていませんでした。
いえ、ドラミちゃんでさえも思いもしなかったことでしょう。
「ドラえもんが治る!」、のび太はうれしかったでしょう。
せかすのび太と状況を完全には把握できないドラミちゃんは
とにもかくにも20世紀へ。
しかしこの後に人生最大の落胆をすることになってしまうのです。
動かないお兄ちゃんを見て、ドラミちゃんはすぐにお兄ちゃんの故
障の原因がわかりました。
正確には、故障ではなく電池切れでした。
そして電池を交換する、その時、
ドラミちゃんはその問題に気が付きました。
予備電源がない...。
のび太には、なんのことか分かりません。
早く早くとせがむのび太 ドラミちゃんは静かにのび太に伝えま
す。
『のび太さん、お兄ちゃんとの思い出が消えちゃってもいい?』
当然、のび太は理解できません。
なんと、旧式ネコ型ロボットの耳には電池交換時の予備電源が内蔵
されており、電池交換時にデータを保持しておく役割があったので
す。
そして、そうです、
ドラえもんには耳がない...。
のび太もやっと理解しました。
そして、ドラえもんとの思い出が 甦ってきました。
初めてドラえもんに会った日、
数々の未来道具、
過去へ行ったり、未来に行ったり、
恐竜を育てたり、海底で遊んだり、
俺F宙で戦争もしました。鏡の世界にも行きました。
どれも映画になりそうなくらいの思い出です。
ある決断を迫られます...。
ドラミちゃんは、いろいろ説明しました。
ややこしい規約でのび太は理解に苦しみましたが、
電池を交換することで
ドラえもん自身はのび太との思い出が消えてしまうこと、
今のままの状態ではデータは消えないこと、
ドラえもんの設計者は、設計者の意向で明かされていない(超重要
極秘事項)ので連絡して助けてもらうことは不可能であること、
これはとっても不思議で特異な規約でありました。
ただ修理及び改造は自由であることもこの規約に記されていまし
た。
のび太人生最大の決断をします。
のび太はドラミちゃんにお礼を言います。
そして「ドラえもんはこのままでよい」
と一言、告げるのです。
ドラミちゃんは後ろ髪ひかれる想いですが、
何も言わずにタイムマシンに乗り、去っていきました。
のび太、小学6年生の秋でした。
あれから、数年後...。
のび太の何か大きく謎めいた魅力、
そしてとても力強い意志、
どこか淋しげな目、
眼鏡をさわるしぐさ、
黄色のシャツと紺色の短パン、
しずかちゃんが惚れるのに時間は要りませんでした。
外国留学から帰国した青年のび太は、
最先端の技術をもつ企業に就職し、
そしてまた、めでたくしずかちゃんと結婚しました。
そして、それはそれはとても暖かな家庭を築いていきました。
ドラミちゃんが去ってから、のび太はドラえもんは未来に帰ったと
みんなに告げていました。
そしていつしか、誰も「ドラえもん」のことは口にしなくなっていました。
しかし、
のび太の家の押入には「ドラえもん」が眠っています。
あの時のまま...。
のび太は技術者として、今、「ドラえもん」の前にいるのです。
小学生の頃、成績が悪かったのび太ですが、
彼なりに必死に勉強しました。
そして中学、高校、大学と進学し、
かつ確実に力をつけていきました。
企業でも順調に、ある程度の成功もしました。
そしてもっとも権威のある大学に招かれるチャンスがあり、
のび太はそれを見事にパスしていきます。
そうです、「ドラえもん」を治したい、その一心でした。
人間とはある時、突然変わるものなのです。
それがのび太にとっては「ドラえもんの電池切れ」だったのです。
「修理が可能であるならば・・・」
それが小学6年生ののび太の原動力となったようでした。
自宅の研究室にて...。
あれからどれくらいの時間が経ったのでしょう。
しずかちゃんが研究室に呼ばれました。
絶対に入ることを禁じていた研究室でした。
中に入ると夫であるのび太は微笑んでいました。
そして机の上にあるそれをみて、しずかちゃんは言いました。
『ドラちゃん...?』
のび太は言いました。
『しずか、こっちに来てごらん、
今、ドラえもんのスイッチを入れるから』
頬をつたうひとすじの涙...。
しずかちゃんはだまって、のび太の顔を見ています。
この瞬間のため、まさにこのためにのび太は技術者になったので
した。
なぜだか失敗の不安はありませんでした。
こんなに落ち着いているのが変だと思うくらい。
のび太は、静かに、静かに、そして丁寧に・・・・
何かを確認するようにスイッチを入れました。
ほんの少しの静寂の後、長い長い時が繋がりました。
『のび太くん、宿題は済んだのかい?』
ドラえもんの設計者が謎であった理由が、
明らかになった瞬間でもありました。
あの時と同じように、空には白い雲が浮かんでいました。
-----------引用ここまで-----------
これが同人漫画化されたやつですかね?
細かい設定なんかが公式設定と矛盾してしまっているのですが、なかなかいい話ですよね。
旧アニメ的な雰囲気が強い作品です。
次です。
-----------引用ここから-----------
第一章 出来事
それは、子供達が心踊る正月の出来事だった・・・
「のび太さーん。羽子板で一緒に遊びましょうよ。」
「うん、やろう。」
しかし、運動音痴なのび太は、あっという間に真っ黒な墨だらけの顔になった。
「よーし、今度は負けないぞ。」
「えーい。」
のび太が打ち上げた羽は、とんでもない方向へ飛んでいき、
大きな木のてっぺんに引っ掛かってしまった。
「ごめーん、僕取ってくるよ。」
「あんな木に登ると危ないわ。あきらめましょうよ、のび太さん。」
「大丈夫だよ。」
そういうと、少しは頼りになる所を見せたかったのか、のび太は大きな木をのぼり始
めた。
「のび太さん、降りてきてー。危なくてみてられないわー。。。」
上に登れば昇ほど足をかける枝は細くなる。
その時である。
バキッ!!!
乾いた枝が折れる音とともにのび太が落ちた。
「きゃーーーーーーーーぁぁぁぁぁぁぁ。」
ドスン!鈍い音がした。
この木はどれくらいの高さなのだろうか。
何メートルあるかわからないが、のび太としずかちゃんにはとても大きな木に見えた。
第2章 告白
「のびちゃん!のびちゃん!」
「のび太!のび太!」
「のび太くん!のび太くん!」
「のび太さん!のび太さん!」
ここは私立病院。不幸な事にのび太は頭から落下し、意識を失っていた。
ママ、パパ、ドラえもん、しずかが、涙を流し、必死にのび太に話かけている。
連絡を受け、ジャイアン、スネオも駆けつけた。
「おばさん、のび太は大丈夫なんですか?」
「うぅぅぅぅぅぅ。」
ママはその場に崩れ座りこんだ。
「手術をしなければ、このまま。。。ずぅーっとこのままのびちゃんは
このまま。。。植物人間のようになってしまうんだって。」
「じゃあ手術をしてのび太を助けよう。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「失敗すれば死んじゃうかもしれないの.........。」
「うぅぅぅぅぅぅ。」
「おい、ドラえもん!!!いつものように何とかしろよ!タイムマシンだとかなんと
かあんだろ!」
「そうだ!そうだ!何とかしろっ!」
「・・・・・・・・・・できないんだ・・・・・・・・・・・・・」
ドラえもんの脳の中に「生命救助」に関する禁止事項プログラムがある。
そのプログラムの中の111059841行目にこのような命令がある。
-------------------------------------------------
歴史を壊す可能性大。生命を直接的に救助することを禁ず。
-------------------------------------------------
この事実をドラえもんはみんなに告白した。
「この役立たずロボット!」
「お前なんか未来に帰れ!」
「みんな、ごめん。。。。僕はのび太くんの為に未来から来たのに。。。」
ボカッボカッ!!!
ジャイアンはドラえもんを殴った。
「うぅぅぅぅぅ。ごめん。。。。。」
ボカッボカッ!!!
今度はドラえもんが自分で自分を殴りつけた。
「たけしさん!ドラちゃん!もうやめて!私が悪いのよ。私が一緒に羽子板遊びなんて
しなければ.....。」しずかは自分を責めた。
「いいえ。みんなのせいじゃないわ...。」
ママの声が、みんなに届いたかどうかは定かではない。
第3章 未来へ
それから一週間。
のび太の意識はいっこうに戻らない。
「先生。手術の成功率はどのくらいなのですか?」
「........いままでの成功例から言いますと、20%以下です。」
「........................。」
「でも、このまま何もしなければ、のびちゃんは....。」
手術をしなければ、のび太は生命すら危険な状態にあった。
しかし、手術の成功率は絶望的に低い上、手術にかかる多額の費用も野比家にあるは
ずもなかった。
「20%でも、助かる確率があるなら、手術して、のび太くんを助けましょうよ。」
出来杉がママに言った。
「僕、クラスのみんなにカンパを呼び掛けます。」
「よし、出来杉、そうしようぜ。」
ママの目にはまた涙がこみあげた。
しかし、いままでの涙とは違う別の涙だ。
みんなにこんなに愛されているのび太...。
ママはのび太を産んで本当に良かった。そう思った。
そう思ったら、涙があふれた。
数日後。
もう決断しなければのび太の命が危ない。
出来杉や、ジャイアン達が、集めてくれたカンパも微々たるものだった。
成功率は低いが手術をしなくてはのび太は助からない。
しかしそんなお金はどこにもない。
「だめか...。」
「パパ!そんな事言わないで!うぅぅぅぅぅう。」
「すまない。ママ....。」
ママとパパはわが子の為には命さえ、惜しくないと思った。
しかし、何もしてあげられない自分達に無性に腹が立った。
「ママ、パパ、お金は僕がなんとかするよ。僕はのび太くんの為に未来から
ここに来たんだ。絶対にのび太くんを助けてみせる。」
「ドラちゃん.....。」
ドラえもんはそう言い残すと家に帰り、引き出しの中のタイムマシンで未来に戻った。
第4章 急げ!
ドラえもんは21世紀に帰ると、まっ先にリサイクルショップへ向かった。
「いらっしゃーい。」
無愛想なロボット店員がドラえもんを迎えた。
「これ全部売りたいんだ。」
「全部?」
「そう、全部だ。」
「本当にいいんですね?」
「はやくしろっ!」
ドラえもんは何と、4次元ポケットの中の道具を全部売り払ってしまった。
額にすると、どこかの惑星を1つまるごと買えるくらいの金額だ。
「ありがとうございました。2.68秒後にあなたの電子マネーの口座に全額振り込まれ
ます。
またのお越しをおまちしております。」
それを聞かないうちにドラえもんは店を飛び出していた。
のび太くんを絶対に助けてみせる...。ドラえもんの頭はそのことでいっぱいだった。
オーバーヒート寸前だ。
いや、もうすでにドラえもんの内蔵コンピュータは、すでにおかしくなっていたのかも
しれない。
ドラえもんは次に宝石博物館へ向かった。
この時代、ほとんどの宝石は人工的に作られて、天然の宝石は、膨大な金を積まなく
ては、
手に入れることはできなかった。
「いらっしゃいませ。」
人間女性型ロボットが迎える。
「ご見学ですか?」
「いや。」
「天然のダイヤで一番大きいのください。」
「少々お待ちください。」
女性ロボットはそう言うと、奥のスタッフルームへ入っていった。
数分後、10人のガードマンロボットを引き連れて、館長らしき人が出てきた。
「あなたですか?天然の一番大きなダイヤを欲しいというお客様は。」
「そうです。売ってください。」
「本当ですか?とてもあなたのような方が買える代物ではありませんよ。」
館長は明らかにドラえもんのことをバカにしていた。
「お金ならあります。見て下さい。」
そう言うと、ドラえもんはマネーカードのバランスボタンを押し、残高を館長に見せ
つけた。
「お おおおおお」
「す すいませんでした。どこぞの大富豪様にお仕えしているロボットだとは...」
「今すぐそのダイヤをお見せいたしましょう。」
全く、現金なものだ。商人あがりの人はいつもこうである。
館長は奥の金庫から大きな箱を大事そうにかかえ、再びドラえもんの前に現れた。
ゆっくりとその箱を館長が開ける。
「どぉーですか。この輝き。すばらしいでしょう。私のコレクションの中では最高で
す。」
ばかでかいダイヤだ。その大きさはドラえもんのこぶし位ある。
「このお金を全部払うから、そのダイヤをください。」
「ぜ、全額いただけるのですか?」
「そうだ。早くして。」
「はいわかりました。」
ドラえもんはダイヤを受け取ると、店を飛び出し、のび太くんがいる時代へと
タイムマシンで再び戻った。
現代で、ドラえもんはダイヤを宝石コレクターに売り、のび太の手術費を作った。
その宝石コレクターの孫が、21世紀で先ほどドラえもんがそのダイヤを購入した
宝石博物館を開く事になるとは、ドラえもんは知るよしもなかった。
第5章 「友だち」だということ
「今夜が山場ですね。手術を行わなければ、命が危ないです。」
先生がママに言った。
ママはその場に崩れ倒れた。
その時である。
バタンッ!
ドアが勢い良く開くとともにドラえもんが、病室に飛び込んできた。
「のび太くん!」
「ドラえもん。こんな時にどこ行ってたんだよ!」
「ごめん。のび太くんの手術費を作るために、ポケットの中身を全部売ってきたんだ。」
「え?本当か?これでのび太は手術できるのか?」
「ママ。。。このお金でのび太くんを助けてあげよう。」
「ドラちゃん......ありがとう.....。」
「先生。お願いします。」
迷っている時間はない。パパは先生に手術をお願いした。
「よし。緊急手術を行う。大至急手術室へ運んで!」
病院内に緊迫した空気が一気に張り詰めた。
手術室は一階のB棟だ。
みんなも、意識のないのび太をのせたベッドの後を追った。
「全力をつくします。」
ドアが閉められると手術中のランプが点灯した。
3時間ぐらいたっただろうか...。
ママとパパは親戚に連絡をとり、近い所に住む親戚は、もうすでに駆けつけていた。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ。」
みんなが驚いた。ジャイアンが突如大声を張り上げたのだ。
近くの看護婦が大声の元を探してこっちへ来た。
「ここは病院ですよ。他の患者さんもいるんですから大声ださないでください。」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ。」
「静かにしてください。」
「のび太ががんばっているというのに何もしてやらないのが友だちって言えるかっ!」
「のび太は俺様の友だちだっ!!いじめる事もあるが大事な大事な友だちなんだっ!」
「フレー!フレー!の・び・太ー!フレッ!フレッ!のび太!フレッ!フレッ!のび
太!」
看護婦はジャイアンの迫力に驚いた。
そしてみんなもジャイアンの後に続いた。
「がんばれーのび太ー!」
「のび太さーん。絶対に負けないでー!」
「がんばれがんばれ、の・び・太!」
「のび太くーん。ファイトー」
「野比ー負けるんじゃあないぞー!」
みんなの声援は館内中に響きわたった。
看護婦はみんなののび太を思う気持ちに心を打たれたのか、それ以来無理にやめさせ
ようとしなかった。
第6章 不幸
手術中のランプが消えた。
8時間におよぶ、大手術だった。
「やったー終わったぞー。のび太は助かったんだぁ。」
「やったーやったー。」
クラスのみんなは抱き合って喜んだ。
ドアから手術を終えた先生が出てきた。その白衣は赤く染まっている。
「先生っありがとなっ。」
ジャイアンは泣きながら言ったが、先生は笑顔を見せなかった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「のび太くんがなおる見込はありません。思ったより病状がひどく...。
命をとりとめはしましたが、それが精一杯でした。」
「え?........」
「どういう事ですか?.......」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「命はとりとめましたが、のび太くんはこのまま意識が戻る事はありません。
......植物人間です.....。」
「そんなっ!うそだっ!」
「嘘ですよね、先生!」
「我々、この病院の名医と呼ばれる医師全員で全力を尽くしました。」
「もうしわけございません.....。」
バタッ
「おまえっ!」
のび太のママは気を失って、倒れてしまった。
「そんな...そんな..のび太さんが...嘘よ。そんなはずないっ。」
ダダダダダッ
みんな手術室に駆け込もうとした。
「いけませんっ!のび太くんは手術は終わりましたが今は危険な状態ですっ。
あっちょっと!入ってはダメです。」
「うるせー!!!」
最終章 さよならドラえもん〜みんな友だち〜
忙しい1月が終わろうとしていた。
3日間降り続いた雪もやみ、今日はお日さまが燦々と輝いている。
いつものように平和な一日が始まろうとしている。
ただ一つ、のび太の病室を除いて......。
「のびちゃん、学校行かないと遅刻するわよ。それにしてもかわいい寝顔だこと。」
ママはショックのせいでおかしくなってしまったのだろうか?
毎日毎日朝から晩までのび太に話かけている。
どれほど眠れない日が続いたのだろう、今ではママはガリガリにやせ細ってしまった。
のび太の寝顔はまるで天使のようだ.....。
パパも会社を辞め、毎日のび太のそばにいる。
ドラえもんはあれ以来誰とも口を聞かなくなってしまった。
ちょうど小学校が終わる時間・・・・・・・
「おばさーん。のび太は?」
ジャイアンを筆頭に今日も暮らすのみんながお見舞いにきた。
「あら、剛くん。今日はのびちゃんまだ起きないのよぉ、しょうがない子でしょ?
のびちゃーん、クラスのみんなが来たわよ。ほらっ起きなさい!」
「おばさん....起こさなくていいよ。まだ寝かせてあげてよ...
まだ眠いんだよきっと...」
「そぉ?ごめんなさいねぇ。せっかく遊びに来てくれたのに。」
「ドラえもん、元気だせよっ」
「のび太は死んだ訳じゃないさ。」
「そうよ、私達の友だちののび太さんはここにいるじゃない。」
「............みんな.......。」
ドラえもんが口を開いた。
堰を切ったように、いままで我慢してきた涙が一気にドラえもんの目からあふれる。
「みんな....僕、のび太くん大好きだから、病院で寝たきりののび太くんを
どこかへ連れていってあげたいんだ...」
「パパ...ママ...いいでしょ?僕はのび太くんのために未来からきたんだ..
..。」
「ドラえもん....。」
「ドラちゃん....。」
そういうと、ドラえもんは空っぽのはずの4次元ポケットから、「どこでもドア」を
取り出した。
ドラえもんは何かあった時のために「どこでもドア」だけは売らずにとっておいたの
である。
ドラえもんは「どこでもドア」を狭い病室の中に立てると、寝たきりののび太に話か
けた。
「のび太くん...どこに行きたい?のび太くんの好きな所に一緒に行こう。
僕達、いままでだってどこに行くにもずーっと一緒だったもんね。」
ドラえもんはそう言うと、のび太を背中におんぶした。
「どっこいしょ。重くなったねぇ、のび太くん.....。」
のび太を背中に背負ったドラえもんは「どこでもドア」の前に立って、もう一度のび
太に聞いた。
「どこに行きたい?ねぇ、のび太くん。」
答えが帰ってくるはずはなかった....。
しかし、一瞬みんなにはのび太が笑ったように見えた。
幻だったのかもしれない....。
「わかったよ。のび太くん。そこへ一緒に行こう....。」
ドラえもんには何か聞こえたのだろうか?
またのび太が微笑んだ。
見間違いなどではない。みんな見たのだ。
「のび太くん。じゃそろそろ行こうか.....。」
「どこでもドア」が一人でに開いた.....
開いたドアの向こうに素晴らしい景色が広がった.....
綺麗なチョウチョが飛んでいた。
見たこともないほど可憐で、嗅いだことのないほどいい匂いのお花が咲いていた。
まぶしいほどの光でいっぱいだった。
のび太が最後に行きたい所。
そこは天国だった。
「さぁ行こう。」
ドラえもんは動かないのび太くんを背負ってその中に入っていった。
ギィー バタンッ
-----------引用ここまで-----------
こちらも元々はギャグマンガであることを考えるとナンセンスな点や、設定的に不自然な点はありますが、第一話の「未来の国からはるばると」を意識したお正月という設定など、ドラえもん好き感がとても出ているので、私はこちらの方が好きだったりします。
ジャイアンには「友だち」ではなく、ぜひ「心の友」と言ってほしかったですね。
こちらも原作よりも旧アニメをベースに作られている感じがします。
ということで、2つの「最終回」を紹介しました。
結構有名な話なのでご存知の方も多かったかとは思いますが、ご容赦下さい。
それでは、今回はこの辺で。
次回こそクレヨンしんちゃんの都市伝説について書きますねー
では!
おわし
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くしゃみの時に涙がでてきちゃっただけなんだから!
勘違いしないでよね