おはようございます、デュークです。
今回は遊戯王はまったく関係ない生活保護の話。
怪我で仕事を休んでいるので、少しは世の中の役に立ちそうなことを。
たぶんほとんどの人は知らないことですが、こんなこともあるということを書きます。
みなさんは生活保護という制度をどの程度ご存じでしょうか。
私は仕事柄割とこの制度には詳しいんですが、よくこんなことを聞かれます。
「持ち家があったら生活保護は受けられないの?」
結論からざっくり言うと、【持ち家があっても生活保護は受けられます】。
こう答えると、大半の人は意外そうな反応をします。
もちろんこれにはいろいろあるんです。
まず、生活保護の制度の趣旨をお話しします。
生活保護の制度は、日本国憲法が保障する、日本国民の健康で文化的な最低限度の生活を保障する制度です。
すなわち、資産があろうが若くて健康だろうが、現に生活に困窮していれば、適用します。
日本国は今日明日の食事に困っている国民を見捨てるようなことは絶対にしません。
(その後自立への支援を行うのは言うまでもありませんが。)
これだけ聞くと、納得がいかない!という人も多いと思いますので、もう少し詳しくお話しします。
まず「持ち家」がどのようなものか、これによって対応が異なります。
もし持っている不動産の処分価値が低い場合。
つまり売却できるようなものではない、もしくは売却しても家賃数か月分以下にしかならない場合ですね。
この場合、対象者の最低生活維持、また生活向上という観点から、保有が認められるケースがほとんどです。
わざわざ処分して、その後の家賃を住宅扶助で補うよりも、その方が無駄がないですからね。
この場合、通常は固定資産税は減免になることが多いと思います。
次に、不動産の資産価値が高い場合です。
極端な話、仮に資産価値が売れば一生食べていけるくらいのものだったとしても、売れなければ生活費に充てることはできませんよね?
そこなんです。
この場合、一旦生活保護を開始し、生活保護受給中に不動産の処分指導を行います。
そして、処分ができてお金が手元に入った時点で、再度要否判定を行うことになるんですが、その前に、生活保護受給開始日からその時点までに受給した保護費を返還することになります。
ここで注意してもらいたいんですが、ここで言う保護費の返還対象は、現金で支給されるいわゆる生活扶助だけではありません。
現金で支給されない医療扶助や介護扶助も対象になります。
これが今回書きたかった肝の部分なんですが、場合によっては本人にとっては損(表現が適当かわかりませんが)をしてしまう可能性があるのです。
どういうことか。
生活保護受給中は、国民健康保険から脱退します。(社会保険は別)
ですので、受給中の医療費は100%医療扶助で賄われることになります。
通常健康保険を使って医療機関を受診した場合、3割負担だったり1割負担だったりしているわけですが、その自己負担よりもはるかに大きな金額が医療扶助として現物支給されていることになります。
そして、先ほど話した保護費の返還対象は、この10割の金額で計算されることになるわけです。
なので、健康保険を使っていれば3割負担で済んでいたところが、その3倍以上の医療費を負担しなければならない結果になります。
もちろん当初は食うにも困って生活保護を受けたわけですから仕方のないことですが、こういう可能性もあるわけですね。
もちろん、生活保護の担当窓口で相談すれば、この辺のことは相談員さんなりケースワーカーさんなりが考えて説明してくれると思いますが、
担当者によっては当初時点でそこまで考えが至らない場合もありますので、注意は必要かと思います。
どうでしょうか。
一般的に生活保護について詳しくない方は、この返還についてまではほとんど知らないんじゃないでしょうか。
ここまで知っていれば、そもそも「持ち家があったら生活保護は受けられないの?」という質問の裏にある意図がちょっと変なんだってわかってもらえるのかなと思います。
この制度、知識のない方は誤解しているところがたくさんあります。
対象者が対象者だけに不謹慎と思われてしまうかも知れませんが、知れば知るほどおもしろい制度です。
本当に生活に困っているなら、この制度はきちんと活用した方が良いです。
別に私は生活保護の需給を推奨するわけでもなければ、その逆でもなく、必要十分であるべきと考えています。
その前提で、今回はあくまで事実を紹介させていただきました。
需要があれば、また書きたいと思います。
質問等にもお答えできる範囲でお答えしますので、あればコメント欄にでもどうぞ。
おわし
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制度の本質について楽しく読ませていただきました!
また遊戯王以外の話もお願いします。
まだ見てくださっていたとは驚きました!
最近はデュエルリンクスのことばかり書いてますが、ネタがあればその他のことについても書いていきたいと思います。
これからもよろしくお願いします!